AO CLINIC SHIMOKITAZAWA

診療案内

産婦人科

子宮頸管ポリープ良性腫瘍子宮頸部異形成月経のお悩み(月経困難症、PMS、
月経不順、過多月経)
更年期障害
性器脱感染症妊婦健診子宮がん検診
レディースドック
HPVワクチン
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子宮頸管ポリープとは

子宮頸管ポリープは子宮頸管の粘膜が部分的に増殖したものです。
良性のものがほとんどですが、0.1%に悪性、0.5%に異形成をみとめたとの報告があります。
診察時に偶然みつかることが大部分です。触ると容易に出血しますので、不正性器出血や、性交時の出血の原因になります。


検査・治療

治療は外来で切除術を行います。切除時の痛みは軽度で、短時間で終わるため麻酔をかけずに行います。
ただし、ポリープが非常に大きい場合は、切除時の出血が多くなったり、痛みを伴う可能性があるため入院の上麻酔をかけての処置も検討します。切除してもしばらくすると再発することがあります。
切除後の病理検査で悪性が指摘された場合には追加の治療が必要なことがあります。


最後に

子宮頸管ポリープは多くは良性で、子宮がん検診時などに偶然みつかる場合が多い疾患です。
子宮頸管ポリープが見つかった場合には、原則切除することが推奨されています。多くは良性ですが、稀に悪性のものもあります。切除後の病理検査の結果までしっかり確認しましょう。また、子宮頸管ポリープは不正性器出血や性交時の出血の原因となっている場合があります。当院では初診の患者様の処置に対応しております。お心当たりがある方は受診しましょう。

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子宮筋腫とは

子宮筋腫とは子宮にできる良性の腫瘍です。子宮の壁は主に筋肉の組織でできており、筋肉組織からできた良性腫瘍が子宮筋腫なのです。女性ホルモンであるエストロゲンで大きくなると考えられています。


子宮筋腫の頻度

子宮や卵巣などの婦人科腫瘍の中では最も多く、30歳以上の女性の20~30%程度に見られます。
ただこれは超音波検査などで診断できる範囲のものなので、実際にはそれで診断のつかないような、顕微鏡でないと診断できないものを含めると、大多数の人にあるといっても過言ではありません。
女性ホルモンの分泌によって個数が多くなったり大きさが大きくなったりするので、初経前にはできず、閉経後には少しずつ小さくなっていきます(もともと大きいものがなくなることはありません)。


子宮筋腫の種類

子宮筋腫は発生する部位によって、漿膜下筋腫(子宮の外側)、筋層内筋腫(子宮の筋肉の中)、粘膜下筋腫(子宮の内側)に分かれます。

漿膜下筋腫:子宮の筋肉の外側にある漿膜の下にできます。大きくなっても自覚症状は乏しい事も多いですが、ねじれると激痛を起こす事があります。
筋層内筋腫:子宮の筋肉の中にできます。最も発生頻度が高く、大きくなると不正出血や不妊症などの原因になることもあります。
粘膜下筋腫:子宮の内側に突き出すようなものです。小さくても過多月経や不正性器出血、不妊症の原因になる事もあります。

子宮筋腫の症状

無症状の場合も多いですが、よくある症状としては、月経血の量が多くなる過多月経、月経が8日以上続く過長月経、月経痛、腹部の張り、膨張、貧血などがあります。子宮の前側には膀胱が、後ろ側には直腸があるので、子宮筋腫が大きくなって周りの臓器を圧迫すると、頻尿、排尿困難、便秘、腰痛などの症状もみられる事があります。
不妊や流早産の原因にもなる事があります。


子宮筋腫の診断

診断には超音波検査(エコー)やMRI検査が有用です。
別の病気でCTやMRIを撮影したときに偶然子宮筋腫が見つかった、という事もよくあります。
通常、子宮頸がん検診などではオプションで申し込まなければエコーはついていない事が多いです。エコーをしなければ、小さな子宮筋腫や卵巣嚢腫などはわからないため、症状がある方や、症状がなくても一度も検査をした事がない方は、ぜひエコーもご検討いただけたらと思います。


子宮筋腫の治療

症状がなければ基本的に子宮筋腫自体の治療はしない事が多いです。
症状があれば、その症状の原因になっているのが子宮筋腫であれば手術などで根本的な
治療をすることもありますし、子宮筋腫自体の治療ではなく、症状をおさえる治療をする事もあります。

1 手術療法
1)子宮全摘術子宮を摘出する手術で開腹手術、腹腔鏡手術、腟式手術があります。
子宮を全部摘出するため、子宮筋腫の再発はありません。月経もなくなり、子宮頸癌や子宮体癌の発症リスクもなくなります。ただ、手術後の妊娠は望ませんので、すでに出産を経験されている方や40代以降の方が主な適応になります。年齢や所見によりますが、特に症状がなく所見もない場合は卵巣を温存します。子宮全摘をすると更年期症状が出てしまうのでは、と心配される方も多いのですが、ホルモンに影響しているのは卵巣で、子宮から女性ホルモンは分泌されていないので、子宮全摘術をしたからといって更年期症状がでてしまうわけではありません。
2)子宮筋腫核出術子宮筋腫のみを摘出する手術です。開腹手術、腹腔鏡手術、子宮鏡手術があります。子宮は温存するので妊孕能を残すことはできますが、子宮筋腫が再発する事があります。
3)マイクロ波子宮内膜焼灼術:
MEA
子宮内に器具を挿入し、マイクロ波を子宮内膜へ照射し子宮内膜を壊死させ、過多月経などの症状緩和を期待する手術です。ホルモン治療で改善がなく、子宮全摘術や子宮筋腫核出術などの手術には抵抗があるという方にとって低侵襲で一つの選択肢になりえますが、赤ちゃんが着床する子宮内膜を壊死させてしまうため、将来妊娠を望む場合には行えません。また、子宮筋腫、子宮筋腺症によって子宮の拡大・変形を伴い子宮内膜に器具が容易に到達できない場合には適応外です。
4)子宮動脈塞栓術(UAE)鼠径部から血管内にカテーテルを挿入し、X線透視下に血管塞栓物質を子宮動脈に詰め込み、血流を遮断することで子宮筋腫を縮小させる方法です。手術が困難な場合や、緊急で出血のコントロールが必要な場合などに選択る事が多いです。症状の緩和は期待できますが、症状の再燃や治療後の疼痛、感染、発熱、卵巣機能低下などの合併症もあります。
子宮筋腫による症状がない方、骨盤内に感染症のある方、閉経後の方などは適応外です。また妊娠機能も低下する事がわかっているため、将来妊娠、出産を希望されている方は原則適応にはなりません。
2 薬物療法

1)偽閉経療法

一時的に閉経に近いホルモン状態にする治療で、子宮筋腫や子宮内膜症の治療として行われます。
GnRHアゴニスト(リュープリン®、リュープロリレン®)、GnRHアンタゴニスト(レルミナ®)などがあります。
女性ホルモンを低下させて月経を止め、子宮筋腫や子宮内膜症の病変が縮小し、それらによる症状の改善が期待できます。原則半年間までしかこの治療を行うことはできません。また、この治療を行っている間、一時的に子宮筋腫や子宮内膜症の病変が小さくなりますが、治療を終えるとまた元に戻ってしまいます。
そのためこの治療は手術前になるべく病変を小さくして安全に手術をする目的で行うか、閉経にきわめて近い方がこの治療をしてそのまま閉経に逃げ込む、閉経逃げ込み療法として行われることが多いです。そのほか、子宮内膜症の治療でジエノゲストなどのホルモン治療を始める前や、現在内服をしている方が不正性器出血した場合、それを一時的に止血する目的でも使用する事があります。


2)対症療法


①低用量ピル排卵を抑制し、子宮内膜を薄くすることで生理痛(月経困難症)の治療になります。子宮筋腫の大きさや部位にもよりますが、子宮筋腫による月経困難症や過多月経の症状の改善が期待できる場合があります。
②黄体ホルモン製剤①と同様、症状の改善が期待できる場合がありますが、不正性器出血や大量出血する事もあるため注意が必要です。
③子宮内黄体ホルモン放出
システム(ミレーナ®)
月経困難症や過多月経の改善が期待できます。ただし子宮筋腫の大きさや部位によっては適応ではなかったり、挿入しても自然脱落の確率が上がります。
④鉄剤子宮筋腫が原因で過多月経がある場合、貧血になる事があります。その症状や貧血自体の改善が期待できます。ただし、服用している間は貧血の改善になりますが症状を抑えるわけではないので、手術や薬物療法などで症状自体の改善をする必要があります。
⑤鎮痛剤子宮筋腫による月経困難症や、子宮筋腫そのものによる腹痛や腰痛を改善します。ほかの治療と併用して行う事ができます。痛みがある場合には用法用量を守ったうえで適切に鎮痛剤を使用する事が大切です。

まとめ

子宮筋腫はとても多い婦人科疾患ですが、その方の年齢や妊娠希望の有無、子宮筋腫の大きさや発生部位によって対処法も異なります。診察をして、その方のライフスタイルに応じて治療をご提案させて頂きます。
当院でできない手術や治療については、ご相談の上当院の連携施設や、連携していない施設にも紹介致します。

子宮内膜症とは

生理の時に排出される月経血が、卵管を通って腹腔内に逆流することがあります。
この逆流した血液の中には、子宮内膜細胞が浮かんでおり、この細胞が子宮以外の場所で落ち着いてしまうと、子宮内膜と似た組織を作り広がっていきます(子宮内膜症の原因は他にもあると言われています)。
この組織は、子宮口のような排出する出口がないので、その部位に溜まるようになります。
このような現象を子宮内膜症と呼びます。


子宮内膜症の症状

子宮内膜症を起こすと月経痛のさらに強くなった痛みを伴います。症状が進行すると、痛みは一般の鎮痛剤薬では治まらないほどの激しいものになることがあります。
また、月経中ではないのに腹部や下腹部の周りが痛くなったり、下腹部だけにとどまらず、腰部や肛門の奥まで広範囲にわたって激痛が走ることもあります。このように日常生活に支障をきたしてしまうこともあります。その他、不妊、月経を重ねるごとに増強する月経痛(月経困難症)、慢性骨盤痛、性交痛、排便痛などが見られます。
また超音波検査・MRIで卵巣子宮内膜症性嚢胞(チョコレート嚢胞)が見られることがあります。


子宮内膜症の治療方法

痛みに対しては鎮痛薬を用いた対症療法を行います。薬物療法では、月経をコントロールしたり、ピルなどを使うホルモン療法などがあります。症状が進行している場合は、外科的手術を行います。
卵巣と周辺にある組織を取り除く方法と、病気を起こしてしまう子宮と卵巣を病巣と一緒に取り除く方法があります。


薬物療法

低用量ピル(低用量エストロゲン・プロゲステロン配合剤)
黄体ホルモン;ジエノゲスト(ディナゲスト)
GnRHアゴニスト;注射や点鼻薬があります
GnRHアンタゴニスト;レルゴリクス(=レルミナ錠:GnRHアンタゴニスト)
子宮内黄体ホルモン放出システム(ミレーナ)

卵巣子宮内膜症性嚢胞(チョコレート嚢胞)がある場合

年齢、嚢胞の大きさ、痛みの程度、お子様のご希望などを考えて経過観察・薬物療法・手術療法のいずれかを選択します。症状を抑える方法でうまくいかない場合、破裂・感染が疑われる場合、手術してよく調べた方がいい場合は手術療法が考慮されます。手術する場合は、症状を完全に取り除くことを優先するか、卵巣の機能を温存する必要性を考慮して手術の仕方を決めます。年齢、嚢胞の大きさ、嚢胞の顔つきがどうかによって、これが悪性であるかどうかを事前に予測する必要があります。腫瘍マーカーやMRIが有効です。卵巣機能温存を考慮して手術した際は、すぐに妊娠を望まないならば再発予防のためにホルモン療法を行います。


まとめ

チョコレート嚢胞を含めて子宮内膜症はとても多い婦人科疾患ですが、その方の年齢や妊娠希望の有無などにより対処法も異なります。診察をして、その方のライフスタイルに応じて治療をご提案させて頂きます。 当院でできない手術や治療については、ご相談の上当院の連携施設や、連携していない施設にも紹介致します。


卵巣嚢腫・卵巣腫瘍

卵巣は親指大と小さいながらに卵子を蓄えたりホルモンを分泌したりとても重要な役割を持つ臓器です。
そんな大事な卵巣ですが実はさまざまな腫瘍が出来やすい上に病気になっても症状が出づらい「沈黙の臓器」とも言われています。多少腫れていても自覚症状に乏しく、大きくなって初めて異常に気づき診断されるケースが少なくありません。卵巣嚢腫は、卵巣に液体や脂肪などが溜まってしまう腫瘍の事で、ほとんどの場合は良性です。代表的なものは以下の通りです。

水が溜まる漿液性嚢胞
ゼラチン様の粘液が溜まる粘液性嚢胞
脂肪や髪の毛などを含む皮様嚢腫
子宮内膜症が卵巣に発生したチョコレート嚢腫

サイズが小さいものは、ほとんど症状が出ず、月経不順が起きない事も多いため、検診で初めて指摘されるというケースがほとんどです。大きくなって来ると、お腹の上から触れたり、腹痛、腰痛、頻尿、便秘、月経異常などの症状を来す事があります。また、大きくなったのう腫が、お腹の中でねじれてしまったり(茎捻転)、中に溜まっている液体が漏れ出てしまった場合は、急な下腹部の激痛が生じる場合があります。
卵巣のう腫は、ほとんどが良性ですが、まれに悪性のもの(卵巣癌)や、良性と悪性の中間の性質を持つ腫瘍(境界悪性腫瘍)もあるため、疑わしい場合は内診と共に種々の画像診断(超音波 MRI CTなど)や腫瘍マーカーの採血を行い慎重に治療方針を検討していきます。卵巣嚢腫の早期発見には、定期的な検診が重要です。
さらに、お腹の張りや痛み、不正出血や生理の異常などの症状がある場合は、早めにご相談頂き、婦人科超音波などの検査をする事をお勧めします。世田谷区検診のオプションとして超音波検査がありますので、同時に行うことをお勧めします。
当院では、明らかに良性でサイズも変わらない卵巣のう腫のフォローや、投薬による治療を行なっております。
手術が必要な卵巣のう腫がある場合は、ご本人と相談のうえ、手術が可能な病院にご紹介させて頂いております。

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子宮頸部異形成とは

子宮頸部異形成は、子宮頸がんの前段階(前がん病変)です。
別名で子宮頸部上皮内腫瘍(Cervical Intraepithelial Neoplasia:略してCIN)とも呼ばれます。
近年わが国において、子宮頸がんや子宮頸部異形成は、20~30歳代の女性に急速に増加しています。
子宮頸部異形成はその病変の程度によって、軽度異形成(CIN1)、中等度異形成(CIN2)、高度異形成・上皮内がん(CIN3)の3種類があります。子宮頸部の扁平上皮病変は、軽度異形成、中等度異形成、高度異形成・上皮内がん、微小浸潤扁平上皮がん、浸潤がんと段階的に進展することがわかっています。一方で、腺病変に関しては腺異形成と呼ばれる病変から上皮内腺がん、微小浸潤腺がん、浸潤腺がんと進展すると考えられていますが、その自然史は未だ明らかになっていません。子宮頸部異形成は自覚症状を示さないことが多く、子宮頸がん検診(細胞診)を契機に発見されることが多い病気です。
言い換えれば、子宮頸がん検診を受けなければ見つからないと考えてよいでしょう。


子宮頸部異形成の診断

子宮頸部異形成の診断は、おもに細胞診、コルポスコピー診、組織診と呼ばれる方法で行われます。
細胞診は子宮頸がん検診における一次検診であり、子宮頸部(入り口部分)を擦って細胞を取り、顕微鏡で検査します。細胞診検査で異常がみられた場合(LSIL、ASC-US、ASC-H、HSIL、SCC、AGCなど)、二次検診(精密検査)としてコルポスコピー診と組織診が行われます。子宮頸部異形成の病変が高度になることに伴って、コルポスコピーで観察した所見も強くなります。細胞診、コルポスコピー診、組織診の結果を総合し、治療方針を検討します。


子宮頸部異形成に対する治療法

CIN1やCIN2の場合は、直ちに治療するのではなく経過観察することが多いです。
その理由は、治療しなくても自然治癒(消退)することがあるからです。CIN1やCIN2の場合、約半数の患者さんでは自然治癒(消退)すると言われています。一方、CIN3や、CIN2が長期に渡って遷延する場合では、治療を行います。治療法は手術療法が選択されます。代表的な手術として、子宮頸部蒸散術や子宮頸部円錐切除術があります。また子宮頸部異形成・上皮内腫瘍に対する治療において、有効な薬物療法はありません。またHPVワクチンは、HPV感染を予防する効果はあるものの、異形成やがんを治療する効果はありません。HPVワクチンについて


まとめ

当院ではコルポスコピーによる検査やフォロー、CO2レーザーを用いた子宮頸部蒸散術を行っております。
なお当クリニックでコルポスコピー検査、子宮頸部蒸散術を行うのは、日本婦人科腫瘍学会が認定する婦人科腫瘍専門医の医師になります。検査に不安があるという場合もお気軽にご相談ください。


コルポスコピー検査

子宮頸がん検診では、まず細胞診検査(頸部細胞診)を行います(一次検診)。
その結果、異常が疑われるという際に行われるのが、コルポスコピー(腟拡大鏡)による子宮腟部の観察です。
これをコルポスコピー検査(二次検診)と言います。
定期的に受けられている健康診断や市区町村の自治体で実施している子宮頸がん検診で詳細な検査が必要(要精密検査)という結果が出た場合は、症状がないからということで放置するようなことは決してしないでください。
子宮頸がん検診の要精密検査となった場合、症状が出る前の前がん状態(子宮頸部異形成など)や初期の子宮頸癌が隠れている可能性があるのです。
子宮頸がん検診で要精密検査となった場合、2次検診のコルポスコピー検査をします。
この検査で、肉眼ではわからないような病変をカメラで拡大して確認します。そして3%酢酸溶液を子宮腟部に塗布して、異常部分がある場合は、組織が白く変色します。異常所見がある場合は、生検鉗子で数ミリほどを子宮腟部の組織を採取します。また異常所見が表面に確認できない場合は、少しく奥の子宮頸管内を掻爬して組織を採取します。それらを採取した組織を、顕微鏡で調べる病理検査を行います。検査後は組織採取した部位から出血をするため、ガーゼ挿入をします。
当日は自宅で安静にしていただき(当日の飲酒、運動は避けてシャワーのみとしてください。また少量でも出血をしている場合は性交渉は避けてください)、ガーゼ抜去後で性器出血が多い場合は受診していただきます。病理検査の結果は2週間程度かかるため、2週後に結果を確認のため受診していただきます。これらの結果、経過観察となった場合は継続して通院管理をしていきます。子宮頸部の軽度異形成(CIN1)や中等度異形成(CIN2)で治療を必要としない通院管理の場合は、子宮頸癌の進展リスクを判定するため、HPV(ヒトパピローマウイルス)のハイリスク型(16,18,31,33,35,45,52,58型)があるか検査をして、その後の検診間隔を相談します。
また、子宮頸部の高度異形成(CIN3)や子宮頸癌などで治療が必要と医師が判断した場合は、適切とされる病院を紹介させていただきます。なお当クリニックでコルポスコピー検査を行うのは、日本婦人科腫瘍学会が認定する婦人科腫瘍専門医・指導医の医師になります。検査に不安があるという場合もお気軽にご相談ください。

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月経痛(生理痛)

月経痛(生理痛)の原因となる子宮内膜症や骨盤内炎症は悪化すると不妊の原因にもなってしまいます。
子宮筋腫や子宮腺筋症も知らずに放っておくと、気づいたときには重度の貧血になっていたり、手術をしなければならない大きさになっていることもあります。
また月経困難症によって学業や仕事がはかどらないなど、さまざまなところに影響が出てしまいます。


月経痛が起きる時期

月経痛は通常、月経量の増える2〜3日目の時期に強く感じますが、月経の始まる直前に痛みを感じる人もいます。
※婦人科を受診するのに早すぎる年齢というのはありません。
初経が始まり、月経痛がつらい場合は早めに受診することで月経痛へ対処することができ、月経へのマイナスイメージを持たずに上手に付き合っていくことができます。「月経がつらい」という方は早めに受診してみてください。
当院では性交渉の経験のない方は腟からの診察を行いません。
お腹からの超音波など、他の方法に変えますのでご安心ください。


月経困難症とは?

月経に伴って起こる下腹部痛などの症状により、日常生活に支障を来たし治療を要する状態の時、月経困難症と判断します。生理がある人のおよそ3人に1人に見られます。何らかの疾患があることで起こる器質性月経困難症と、原因となる疾患がない機能性月経困難症に分けられます。器質性月経困難症は、子宮筋腫、子宮腺筋症、子宮内膜症、子宮の形の異常などの病気が原因となります。
機能性月経困難症は、月経時の血液を子宮から排出する際に、頸管(子宮の出口)が狭いことによって生じたり、プロスタグランジンという物質によって子宮が強く収縮しすぎてしまうことが主な原因です。多くの月経困難症がこれに該当します。初潮後2~3年で始まることが多いとされています。症状で最も多いものは月経時の痛みで、腹痛や腰痛のほか、肛門周囲に痛みを感じることもあります。若い方の場合には、年齢とともに、また妊娠出産によって症状が軽快することがあります。


治療

治療は、ロキソニンなどの非ステロイド抗炎症薬を使用したり、低用量ピルの内服も有効です。
また当帰芍薬散などの漢方薬も有効とされていますが、効果を感じるのに数か月を要することもあります。
低用量ピルなどの経口薬の内服ができない方や血栓症リスクがある方などでは、LNG-IUS(ミレーナ)が有用です。思春期の方、子宮口がまだ開いていない未産婦の方への挿入は難しいことが多いですが、出産経験のある方では比較的スムーズに挿入が可能で、月経量を減少させる効果もあるため過多月経がある方にも有用な方法です。
5年間装着でき、避妊効果もあります。
ミレーナとは?


低用量ピル

ピルとは黄体ホルモン(プロゲステロン)と卵胞ホルモン(エストロゲン)という2種類の女性ホルモンが含有されているお薬のことで、含有されるエストロゲンの量によって、低用量ピル、中用量ピルの様に分類されます。また、使用する目的によって、OCやLEPなどとも呼ばれます。「OC」とは避妊を目的としたピルのことで自費診療での処方となります。一方「LEP」は月経困難症などの治療薬ですので、保険診療での処方となります。

内服方法
ピルには排卵を抑制したり、子宮内膜を薄く保つ作用があるので、避妊や月経に伴うつらい症状を改善させる効果があります。避妊目的でピルを使う場合はOCと呼ばれます。OCは正しく服用すれば、最も優れた避妊法の一つであり、安全性も高いといわれています。ただし避妊が目的の場合には、保険は適応されませんので自費での処方になり、1ヶ月分で約3000円前後かかります。またピルは、月経困難症や子宮内膜症、PMS、過多月経に対する治療薬としても使用されています。
その場合はLEPと呼ばれ、保険適応で処方を受けることができます。LEPの内服方法には、1ヶ月ごとに内服する「周期投与」という方法と、数ヶ月間連続でピルを内服する「連続投与」という方法があります。内服方法はそれぞれにメリット・デメリットがありますが、月経困難症の症状の程度やライフスタイルに合わせて内服方法を選択することが良いと思います。治療費は周期投与のピルでは後発薬の場合は1ヶ月分で約1000円前後、連続投与のピルは1ヶ月2000~3000円弱です。


ピルの
メリット
ピルには生理にともなって生じる様々な症状を改善させたり、避妊や自分のライフスタイルにあわせて生理をコントロールできるなどのメリットがあります。
OCとしての
メリット
避妊効果・ライフスタイルに合わせて生理をずらせる(月経移動)・LEPとしてのメリット月経痛の改善・子宮内膜症病変の縮小・改善・月経時の出血量の減少、月経期間の短縮月経不順の改善・月経前のイライラ、気分の落ち込みなどの改善・ニキビの改善卵巣がん、子宮体がん、大腸がんの発生リスクの減少
ピルの
デメリット・合併症
ピルにはデメリットや注意しておくべき合併症もあります。
連日の服用が必要・吐き気・頭痛・むくみ・乳房痛・不正性器出血・血栓症のリスク、乳がん、子宮頸がん発症との関連性・性病の予防効果はない

ピルの内服開始時に、吐き気や頭痛、むくみや乳房の張りなどの症状をみとめることがあります。
これらは通常数日から1週間程度で軽快します。また、連続内服のピルでは、特に内服開始後3~6ヶ月の間は不正出血が見られることがあります。少量の出血がだらだらと続いたり、1ヶ月のうちに2回生理が来てしまったり、といったことが起こることがあります。多くのケースでは内服を続けるうちに出血期間は減少し、次第に出血の量自体も少なくなってきます。
また、最初の周期ではなかなかピルの効果を実感できないこともあります。2~3周期くらい続けていくうちに、ピルを飲む前より調子がいいなど感じるようになります。
それでもまだ症状が続く場合や、お薬自体が合わないと感じる場合は、ピルの種類を変えてみるという方法もあります。
ピルの重篤な合併症として静脈血栓塞栓症があります。ピル内服中に激しい腹痛、胸の痛みや息苦しさを感じたり、下肢の疼痛や腫れを認めた時はすぐに内服を中止し、当院または救急医療機関を受診してください。特に服用開始後3か月程度は注意が必要です。また、性感染症の予防効果はないため、感染対策としてはコンドームの使用が必要になります。
ピルの長期服用と、乳がんや子宮頸がんのリスクと関連が指摘されていることから、乳がんや子宮頸がんの検診は定期的に受ける必要があります。

以下の方には低用量ピルを服用していただくことができません

40歳以上の初回投与(40歳以前から内服中の方の継続は可)、50歳以上または閉経後の方
血栓症の既往のある方、血栓症の家族歴のある方
肥満の方(BMI30以上または体重80Kg以上の方)
高血圧の方(収縮期血圧140mmHg以上または拡張期血圧90mmHg以上の方)
喫煙者(1日15本以上喫煙する方)
耐糖能異常や糖尿病がある方
乳がん・乳がんの既往の方、乳がんの家族歴または乳房に結節のある方
子宮頸がんの方(子宮頸部上皮内腫瘍の方も含む)、診断のつかない異常性器出血のある方
片頭痛のある方
肝機能障害、心疾患(心筋梗塞など)、腎疾患のある方
妊娠中、産後4週間以内、授乳開始後6か月未満の方
手術前4週間以内、術後2週間以内(30分以上の手術)、及び長期間安静状態の方
てんかん、耳硬化症、妊娠ヘルペスの既往の方等

当院では症状や金額に合わせてピルを選択できるよう複数のピルの院内処方が可能です。
患者さんの症状とご希望に応じて処方致しますのでお気軽にご相談下さい。

ミレーナ

子宮内避妊具の一種で、レボノルゲストレル放出子宮内システム(LNG-IUS)とも呼ばれます。
世界中でも多くの女性が使用しています。しばらく妊娠を希望しない、次の出産まで時間をあけたいといった経産婦さんには特にお勧めの方法です。避妊率は高く、装着後初年度の妊娠率は0.1%、装着後5年間で0.5%と報告されています。ミレーナは避妊目的だけでなく、過多月経や月経困難症と診断された方では治療として保険適応で使用することができます。

ミレーナに向いている方

しばらく妊娠を希望しない出産経験のある方
月経量が多く日常生活に支障がある
出血量が多く貧血になっている方
月経痛でお悩みの方
お薬の飲み忘れが心配な方
ピルによる治療を希望しない方
片頭痛や喫煙をしていてピルが飲めない方


ミレーナの
メリット
子宮内にミレーナを装着することで、子宮内膜という受精卵が着床する部位を薄くし、子宮頸管粘液を変化させて精子の侵入を妨げることで避妊効果を発揮します。ピルの様に毎日内服する手間がなく、飲み忘れの心配もありません。ミレーナは子宮の中にのみホルモンが作用するので40歳以上の方、肥満や高血圧の方、喫煙者の方や授乳中の方であっても安全にご使用いただけます。またある研究では、子宮内膜がんの発生リスクを減少させることが報告されています。
ミレーナの
デメリット
ミレーナを装着したすぐ後では、だらだらと少量の出血が続いたり、出血が長引くことがあります。徐々に出血量は減少し、数か月で落ち着いてきます。徐々に月経が来なくなり、装着後1年で約20%の方は無月経となります。無月経でも体内のホルモン分泌は保たれており、排卵は起きますので、100%妊娠しない訳ではありません。つわりのような症状がある時には受診してください。
ご出産経験のない方や、子宮筋腫のある方、先天的な子宮形態異常のある方などでは、ミレーナが挿入できないことがあります。装着時に子宮に穴が開く子宮穿孔や、子宮外に出て来てしまう脱落を生じることがあります。5年間そのまま装着でき、5年を超えない時期での抜去が推奨されていますが、ミレーナ抜去時に疼痛と出血を伴うことがあります。
抜去が困難な場合には、子宮鏡検査や全身麻酔下での抜去が必要なことがあります。
クラミジアなどの性感染症がある方で骨盤内炎症性疾患のリスクが高まるので装着は禁忌です。
仮にミレーナ装着中に妊娠してしまった場合には、子宮外妊娠が起きやすいといわれています。強い腹痛や出血などがある場合には必ず受診が必要です。

ミレーナの装着方法

月経がはじまってから7日以内に装着します。装着前に必ずクラミジアと淋菌の検査と治療を行います。ミレーナは外来の内診台の上で、超音波検査を併用して装着します。麻酔は使用しません。スムーズに装着できる方では数分程度で処置は終わります。装着後は、子宮穿孔や脱落の有無を確認するため、1か月後、3か月後、6か月後、その後6か月毎に定期受診する必要があります。子宮筋腫等で装着が難しい方、出産経験がなく子宮口が閉じている方や痛みに弱い方などではミレーナが装着できないことがあります。妊娠をご希望される場合には抜去が必要になります。


PMS(月経前症候群)

月経前になると眠かったり、イライラしたり、怒りっぽくなったり、不安になったり、吐き気がしたりおなかが痛かったり…そんなことはないでしょうか?PMS(月経前症候群)は、月経前3~10日間に現れる身体的、精神的な多種多様な症状で、月経の発来とともに消失または減弱するもの、と定義されています。
日常生活にまで身体的・精神的な支障をきたします。PMSが原因で学校や仕事のパフォーマンスが落ちることが明らかになってきていて、人生をより快適に過ごすためにPMSの治療は大切なことだと思います。
生活習慣の改善や運動も有効だと言われています。また低用量ピルでPMSの改善が期待できます。


月経不順

月経不順とは?

月経周期というのは、月経の始まった日から次の月経の開始日前日までの日数を指します。
正常な範囲は25日~38日で、月経周期が24日以内を頻発月経、39日以上を希発月経、90日以上停止した場合を続発性無月経といいます。希発月経や頻発月経の中には無排卵の方が一定数いるともいわれています。


月経不順の原因

急な体重の増減、精神的ストレス、激しい運動による負荷、抗がん剤等の薬剤の影響、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、子宮の手術による影響などがあげられます。その他、甲状腺や脳の異常でも月経異常が起きることがあり、その原因はさまざまです。


月経不順の治療

原因によって治療法は異なります。まずは妊娠の有無を確認します。経腟超音波検査で子宮や卵巣の状態を見て原因を調べます。PCOSでは特徴的な卵巣の所見が見られます。また、血液検査を行い、生理に関わるいくつかのホルモンや、甲状腺の機能などを調べます。薬が原因の場合は薬を中止してみることもあれば、ストレス等が原因の場合はできるだけストレスが緩和できるよう心掛けながら、経過を見ることもあります。
長期に月経が来ていない場合はホルモン剤を使って月経を起こしたり漢方薬を用いて体質改善を試みる場合もあります。妊娠を希望する場合は排卵を促すような薬やその他適切な治療法がありますので、お気軽にご相談ください。


過多月経

過多月経とは

一般的に月経血の量は20~140ml、平均50~60mlとされており、過多月経の定義としては、150mlかそれを超えて月経血が異常に多いことをいいます。実際に測るのは難しいため下記の症状がある場合に月経量が多いと判断しています。特に生理の時にレバー状の塊が混じっている方は過多月経が考えられます。過多月経の場合、貧血になることがあるので月経になるとめまい・動悸・疲れやすいなどの症状が出る人も過多月経が疑われます。


ナプキンを2時間以内に替える
昼でも夜用ナプキンを使う日が3日以上続く
夜間、夜用ナプキンで朝までもたない
経血にレバー状の塊が混じっている
月経時にめまい・動悸
月経時、疲れやすい


原因

子宮筋腫、子宮腺筋症、子宮内膜ポリープなどがあります。子宮体がんや子宮頸がんが原因のこともあります。黄体機能不全や無排卵性周期症などで破綻出血を起こし、結果として過多月経になる場合があります。
10代から20代の若い方や閉経近くの40代後半の方では、この内分泌的な異常が原因のこともあります。このほかには、内科的疾患として過多月経が起こることがあります。血液が固まりにくい病態があり、それが原因で結果として過多月経となっていることもあります。


治療

治療法としては原疾患の治療、低用量ピル、ミレーナ、鉄剤内服(貧血の改善)があります。手術をご希望の場合、当クリニックでは慶應義塾大学病院、東邦大学医療センター大橋病院を始め、連携病院が複数箇所ありますので、ご希望に応じた適切な施設をご紹介いたします。

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更年期障害

日本人女性は平均して50-51歳で閉経すると言われています。
(閉経:1年以上生理のない状態、個人差あり)一般的には閉経を挟んだ約10年を「更年期」と言います。
女性は誰でも歳をとると、卵巣機能が衰えて、若い時と同じように女性ホルモン(エストロゲン)が分泌出来なくなります。
それによりホルモンバランスが崩れて現れる体の不調が更年期症状です。症状の出方は個人差が大きく、女性ホルモンの低下だけでなく、その方のもともとの性格や環境も関係する事が知られています。症状が重く、日常生活に支障を来す場合は更年期障害と呼び、治療が必要になってきます。
自分に起きている体の変化や心配事を詳しく先生に相談し、その人にいちばん合う治療法を選択することが大切です。
また、女性は更年期を迎えて女性ホルモンの分泌が低下すると、高脂血症や糖尿病、動脈硬化などの生活習慣病や、骨粗鬆症のリスクも高まります。
女性なら例外なく誰もが通る道ではありますが、どんな事が起こりうるのか、どういった対処法があるのか、何に気をつけなければいけないのか、を知っておけば、実際にその時期を迎えた時にちょっとは安心して過ごせると思います。


更年期の症状

肩こり・頭痛・不眠・動悸息切れ・疲れ・腹痛・イライラ・めまい・うつ状態・不安感・のぼせ・ほてり・発汗など
更年期症状に良く似ているけれど、実は重大な病気に発展する恐れのある症状もあるので、上記症状のような症状のある方はまずいちどご相談ください。


治療

ホルモン補充療法・漢方・プラセンタ注射・抗うつ薬、抗不安薬による治療

更年期症状は治療をする事でQOL(生活の質)が非常に上がります。お気軽にご相談ください。


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性器脱とは

骨盤の中にある膀胱や子宮、直腸などの臓器は、骨盤底筋群という筋肉や靭帯によって支えられています。
そのため、骨盤底筋群の筋力が弱まることで支える力が弱まってしまうと、膀胱や子宮などの臓器が下がってしまいます。
このような状態のことを骨盤臓器脱や性器脱と呼んでいます。
子宮脱は、性器脱の中でも特に子宮そのものが下がってきた状態です。下がり具合が軽度で子宮が腟の出口から飛び出てこないものを子宮下垂と呼び、腟の出口から子宮が飛び出てきてしまった状態を子宮脱と呼ぶことが一般的です。また、前側の膀胱も一緒に下がってきて腟の外に飛び出てくると膀胱瘤、後ろ側の直腸が飛び出てくると直腸瘤という状態になります。


治療

骨盤底筋運動やペッサリーというリングをつけて下降を防ぐ方法があります。
また、ペッサリーでも状態が改善されない場合は手術が必要な場合もあります。


まとめ

「膣からポコッと何かが出ている」、「歩行時に下がる感じがする」といった症状は子宮脱の可能性があります。
高齢者の方に多い疾患ですが、30歳代や産後の方でも時々あります。高齢者の方ほど恥ずかしさで産婦人科の受診をためらい、放置している方も多いです。増悪すると子宮が完全に膣の外に脱出してしまい尿が出なくなるなどの症状がでることもありますので、気になる症状があればお気軽にご相談ください。


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カンジダ

外陰腟カンジダは、常在真菌であるカンジダ菌の繁殖によって起きる性器の炎症のことを指します。
外陰部掻痒感、悪臭を伴う白色のおりもの(ヨーグルト状、酒かす状)が増える、発赤などの症状が特徴です。
カンジダは普段から粘膜や皮膚に存在する常在菌です。通常は症状は出ませんが、免疫力低下などがきっかけとなり、カンジダが異常に増殖すると発症します。カンジダが増殖するきっかけとなるのは、体調不良、ストレス、疲労、妊娠、糖尿病やがんなどの病気、薬(抗生物質やステロイドなど)などです。また、生理前後にも増殖しやすくなります。
検査に提出いたしますが、視診にてカンジダが強く疑われる場合は当日に治療を行います。
市販薬をお使いになる前に気になる症状があれば、お気軽にご相談ください。

性器ヘルペス

ウィルス性(単純ヘルペス・ウィルス)の性行為感染症です。外性器に小さな水泡(水ぶくれ)ができ、それが破れると潰瘍が多発し、それが2週間ほど続いた後になくなります。
初発は、潰瘍は左右対称にできるのが特徴で、局所にはっきりした病変が無い時でも性器からウィルスを排出してしまい、パートナーに感染する可能性があります。ウイルスは神経節という体の奥に潜むため、治ったあとも免疫が低下したときに再発することがあります。


症状感染後、2日~7日間の潜伏期間のあとに、外性器に水泡(水ぶくれ)ができ、痛み・発熱の症状が出てきます。ひどくなると、排尿時に激しい痛みを伴い、排尿が出来なくなることもあります。また、太腿の付け根のリンパ腺が腫れたり、高熱が出ることもあります。
検査・診断原則的にヘルペスの診断は、水疱や性器の状態の診察により行ないます。また当クリニックでは10分程で診断できる検査キットをご準備しております。
治療治療は抗ウィルス剤の内服で、1~2週間で治ります。

クラミジア

クラミジアとは日本で最も多い性行為感染症(STD)で、クラミジア・トラコマチスという細菌によって起こります。特に10代後半から20代にかけての感染者が多いことが特徴です。性行為によって女性の子宮頸管や男性の尿道、喉の粘膜などに感染するケースが多いです。女性は症状が出にくいことが多く、約80%が無症状であるため自覚しにくいことも特徴です。
そのため感染に気づかずにいるとパートナーにうつしてしまう可能性もあるほか、感染が長期化すると不妊症や流産、子宮外妊娠などの原因にもなります。


症状
性器
水溶性のおりものが出ることがありますが、自覚症状が乏しく、知らないうちにパートナーに感染させているため急増しています。長期間放置すると、卵管炎・不妊症の原因になりえます。
咽頭(のど)のどの腫れや痛み、発熱や咳などの風邪に似た症状がありますが、無症状なことも少なくありません。
放置すると、咽頭炎や扁桃腺炎を発症します。性器クラミジア感染者の10~20%は、咽頭クラミジアにも感染していると言われています。
検査・診断性器の検査は腟や子宮の入り口のおりものを採取して検査します。咽頭(のど)の検査は、10~20秒ガラガラうがいをします。そのうがい液を検査に出します。
治療抗菌剤を服用し、治療します。パートナーに感染させる、あるいはパートナー間で感染させ合う(ピンポン感染)恐れがあるため、治療が終了するまでは性交を控え、パートナーも同時に泌尿器科で検査・治療を受けることが重要です。他の病院などで検査をして「陽性」だった場合も当院で治療可能です。その場合は、必ず検査結果を持参してください。

淋病

淋病(淋菌感染症)は、淋菌という細菌による性感染症のことを指します。
男性の患者さんは症状が出ますが、女性の患者さんの症状が出にくいことも特徴です。
男性では主に尿道に、女性では子宮頸管に感染します。また、オーラルセックスを介して、咽頭に感染することもあれば、手指を介して直腸や眼にも感染することがあります。女性の感染者のうち、約8割の方は無症状です。症状が出る場合は、排尿痛、不正出血、下腹部痛、おりものが増えるなどの症状が挙げられます。感染の自覚がないことが多いため、気付かないうちに男性に移してしまうことがあります。
また、無症状のまま経過すると卵巣や卵巣に炎症が起きる子宮付属炎や骨盤腹膜炎などを起こすことがあります。炎症によって卵管狭窄を引き起こしたり、骨盤内に癒着を起こすことで、不妊の原因になるともいわれています。感染予防、早期発見、早期治療が大切になります。またパートナーの方の治療も必須です。お気軽にご相談ください。


梅毒

梅毒とは、梅毒トレポネーマと呼ばれる細菌に感染することによって引き起こされる病気です。性行為により感染することが多く、日本では患者さんが増えていることが問題となっています。


原因梅毒は、梅毒トレポネーマと呼ばれる病原体に感染することが原因で発症する病気です。
梅毒トレポネーマは感染者の血液や体液に含まれており、それらが粘膜や皮膚から体内に入り込むことによって感染します。梅毒トレポネーマは酸素が十分に存在する環境の中では生存することができないため、主な感染経路は粘膜同士の接触のある性行為など限られた感染経路のみとされています。また、梅毒はほかの性感染症にかかっていると感染しやすいことが知られています。
症状梅毒は、発症してから経時的にさまざまな症状が現れるのが大きな特徴の病気です。梅毒の病気の進行は3段階に表され、時間の経過に伴い症状が徐々に進行していきます。また、症状が現れたり、自然に消えたりを繰り返すこともあります。

第I期梅毒
(感染~約3週間)
梅毒トレポネーマに感染してから3週間ほどの潜伏期間を経て、感染が生じた粘膜や皮膚に硬いイボのような皮疹が生じます。これらは“初期硬結”や“硬性下疳”とよばれます。多くは外陰部の目につきにくい部位にできますが、痛みやかゆみなどを伴わないため発症に気付かないケースも多々あります。また治療をしなくても3週間ほどで症状が消えてしまいます。
第II期梅毒
(感染~数か月)
第I期梅毒の症状が改善して数か月ほど経過した後に、外陰部を中心に全身の皮疹や脱毛など皮膚症状が現れます。特徴的な症状は手のひらや足のひら、全身に現れる発疹です。これらの症状も痛みやかゆみを伴わないことが多く、治療をしなくても数週間〜数ヶ月で症状が消えてしまいます。I期とII期では梅毒の感染力が高い時期です。
第III期梅毒
(感染~数年、数十年)
第II期の症状がおさまると、数年~数十年は何も症状がない状態が続きます。多くはそのまま体内に“潜伏”した状態で一生を終えます。約30%では再び症状が現れることがあります。
治療をしないでいると、無症状のまま症状が進行し、やがて心臓や神経にも異常が現れるようになります。症状の程度はさまざまであり”ゴム腫”と呼ばれる軟らかい腫瘍が皮膚や肝臓、骨などにできるのみのこともあれば、心臓や神経(脳・脊髄せきずい)にダメージが生じて命に関わる重篤な状態に陥ることもあります。ただし、梅毒は感染してから3週間ほど経過しない検査が陽性になりません。
感染が疑われる性行為をした場合にも、適切な時期に検査を受けることが大切です。

治療

梅毒は、ペニシリン系の抗菌薬による治療が行われます。
梅毒は性的接触による感染力が高く、症状が現れていない時期でも気付かず、感染を広める可能性もあります。


まとめ

近年梅毒感染が急増しています。梅毒に感染したかどうかは検査をしてみないと分かりません。
気になることがある場合には検査を受けることが大切です。お気軽にご相談ください。

コンジローマ

コンジローマとは
尖圭コンジローマは、性行為によって外陰部などにヒトパピローマウイルス(HPV)6型や11型が感染することによって引き起こされる、性感染症の一種です。発症すると、外陰部を中心に鶏のトサカのような淡紅色~褐色のイボが形成されます。

診断と治療
通常は特徴的なイボを目視で診察することで診断となります。
女性の場合、子宮頸管や子宮口の状態を確認するために拡大鏡などを用いてイボができていないか確認する検査を行うこともあります。治療はイボに対して軟膏を塗ったり、イボを焼く治療などが行われます。
コンジローマは再発を繰り返しやすいのが特徴の1つです。
当クリニックではCO2レーザーによる蒸散術を行っております。外陰部にできものが出来るなど、気になる症状があればお気軽にご相談ください。


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妊婦健診

ご妊娠、おめでとうございます。
妊娠反応が陽性になったら、まずはエコーでの妊娠の診断が必要です。
子宮内妊娠が確認できたら、1〜3週間ごとに赤ちゃんの発育をチェックし、経過が順調であれば、8-10週をめどに妊婦健診に移行します。妊娠反応が陽性となっても、胎嚢(赤ちゃんが入っている袋)が見えずに、出血し、妊娠が継続しない化学的妊娠や、胎嚢や赤ちゃんはみえてくるけれども、発育がとまってしまう稽留流産、子宮内に着床せず、子宮外に着床してしまう異所性妊娠などの異常妊娠もあります。しっかり診断をし、適宜必要な検査や治療をご提案させていただきます。
場合により総合病院へ紹介いたします。


妊婦健診とは

赤ちゃんとお母さんの健康状態を確認していく健診です。
エコー・尿検査・血圧・体重測定は毎回、そのほか妊娠初期と中期に採血の検査があります。
妊婦健診の費用に関しては価格表を参考にしてください。
当院では東京都の妊婦健診補助券の利用が可能で、利用券の金額によって、患者さんの負担額が軽減されます。健診間隔は概ね24週ごろまで3〜4週間ごと、その後は2週間ごとになります。夜間の緊急対応ができかねる関係で、早産リスクがある、もともと持病があるなど、妊娠中のリスクが高い妊婦さんに関しては総合病院での妊婦健診をお勧めしています。
近隣の総合病院、大学病院と医療連携を行っておりますのでご希望の施設へご紹介いたします。
また分娩は取り扱っておりませんので、当院での妊娠管理は32週ごろまでとなります。

エコーはGE HealthCare Voluson S8を導入しました。
動く赤ちゃんを立体的にみられる4Dエコーも全例で実施します。
赤ちゃんの位置や向きによっては上手くお顔が見えないことや、赤ちゃんによってはなぜかいつも背中しかみせてくれない子もいます。その点はご了承ください。


妊婦健診の内容


妊娠週数行う検査詳細
1回目(10週頃)
初回妊婦健診・採血(B型肝炎、C型肝炎、梅毒、HIV、風疹、HTLV-1、血液型、不規則抗体、貧血、血糖)・子宮頸がん検査・胎児エコー
  • 毎回、尿検査、血圧測定、体重測定を行います。受付を済ませたら受付前の自動血圧測定器と体重計で血圧・体重測定をしたのち、母子手帳・助成券・測定用紙を受付に提出してください。
    その後、トイレにて採尿し、トイレ内のカップ置き場においてください。
  • 分娩予定日を決定します。
  • 分娩予約が必要な施設でのお産をご希望の方には紹介状をお渡しします。
2回目(14週頃)
胎児超音波
  • 4D超音波検査が始まります。超音波検査の動画録画サービス(AngelMemory、別途2000円)で ご自宅でも超音波検査の動画が見れます。
3回目(18週頃)
胎児超音波 経腟超音波 クラミジア検査
  • 赤ちゃんの臓器の異常がないかどうか、子宮口の長さ、胎盤の位置を確認します。
4回目(22週頃)
胎児超音波
5回目(26週頃)
胎児超音波  妊娠糖尿病スクリーニング検査(50g GCT)+ 貧血検査
※50g GCT  (妊娠糖尿病のスクリーニング検査です)
① 50gの糖水を飲んでいただきます。  ② 1時間後に採血をします。
検査をお待ちの間にエコーをしますが、時間に余裕を持って来院ください。
6回目(28週頃)
胎児超音波
7回目(30週頃)
胎児超音波 経腟超音波
  • 早産兆候の有無、胎盤の位置をチェックします。
8回目(32週頃)
胎児超音波
  • 分娩施設に紹介状を作成します。
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世田谷区の子宮頸がん検診

当クリニックは世田谷区の子宮頸がん検診実施医療機関に指定されております。
世田谷区在住の20歳以上で前年度に区の子宮がん検診を受診していない女性の方が対象となります。
受診対象者の方には、6月中旬に受診券が届きますので、ご持参の上、有効期限内にご来院ください。
患者さまのご負担金額は800円となります。
検診で精密検査が必要となった際、保険診療(有料)となります。


世田谷区の子宮体がん検診

世田谷区の子宮頸部がん検診を受診した方で、問診等の結果、受診時以前6か月以内に不正性器出血または褐色帯下のいずれかの症状があり、次のア~エのいずれかに該当する方のうち、子宮体部がん検診を実施することについてご本人が同意する場合には子宮体部がん検診を受診できます。
ただし、要件ア~ウに該当する場合でも、医師の判断により受診をお断りすることがあります。


ア.年度末年齢50歳以上の方
イ.閉経後の方
ウ.未妊娠であって、月経不規則の方
エ.医師が特に必要と認めた方
患者さまのご負担金額は1000円となります。

子宮体がん検査は子宮内膜(体部)の細胞を採取する検査です。子宮の内側に細い棒状の器具を挿入して子宮内膜の細胞を採取します。後日、病理医による顕微鏡での診断を経て、結果をお伝えします。
子宮の中の検査なので、痛みがあります。また検査後、出血が1週間程度続くことがあります。
子宮体がんの患者さんは比較的高齢のため、子宮の奥まで器具を挿入することが難しい場合もあります。


オプション

(推奨)経腟エコー(超音波)
子宮頸がん検診だけではわからない子宮や付属器(卵巣・卵管)を超音波で確認できます。

詳細については、世田谷区の公式ホームページをご参照ください


検査結果のお知らせ

検査結果は後日外来でお伝えします。

レディースドック

健康診断よりも踏み込んだヘルスチェック。がん検診、子宮・卵巣の超音波検査、性感染症チェック、ホルモン検査、卵巣年齢(AMH、単独オプション検査となります)などを組み込んだレディースドックを行っています。
料金は料金表よりご確認ください。


ベーシックホルモンプラスSTDフルセットプレミアム
超音波検査
子宮頸がん検査
HPVグループ検査
クラミジア(PCR法)
淋菌(PCR法)
梅毒RPR定性
梅毒TP定性
トリコモナス
B型肝炎
C型肝炎
HIV
LH
FSH
PRL
E2
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HPVワクチン

子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)とは、子宮頸がんの予防を目的としたワクチンです。
小学6年生~高校1年生相当の女性に定期接種が可能なワクチンのひとつです。
子宮頸がんはヒトパピローマウイルス(HPV)が持続的に感染することで、異形成を生じた後に浸潤癌となることが知られています。性交経験がある方は一生に一度は感染するといわれています。HPVは多くの型がありますが、子宮頸がんの原因ではHPVの16型と18型で約60%を占めます。子宮頸がんワクチンは主にHPV16型18型の感染を予防することで、子宮頸がんの前がん状態の異形成を予防する効果があります。
子宮頸がんワクチンには2価、4価と9価の3種類のワクチンがあります。
いずれも子宮頸がん発症原因の50~70%を占める16型と18型のヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を予防する効果があります。2価HPVワクチンのサーバリックスは16型18型と、4価HPVワクチンのガーダシルは16型18型に加えて尖圭コンジローマの原因となる6型と11型の予防効果があります。さらに9価ワクチンのシルガード9は、31型 33型 45型 52型 58型の予防効果を追加することで子宮頸がんの原因ウイルスの9割をカバーします。
シルガード9は2023年4月から公費で定期接種が可能となりました。当院では9価ワクチンのシルガード9の接種を勧めています。接種回数に関しては15歳以上では計3回の接種が必要ですが、15歳未満に接種を開始した場合は2回接種となります。子宮頸がんワクチンの接種を受けることで、異形成の発症を予防して最終的に子宮頸がんを予防する効果が期待されます。
また一部のHPVはワクチンでも予防できないため、性交経験のある方はワクチン接種の有無にかかわらず子宮頸がん検診を受けることをおすすめします。詳細については、世田谷区の公式ホームページをご参照ください(こちら)。

2023年10月より世田谷区では男性に対して、HPVワクチンの費用助成(任意接種)が開始されました。
男性でもHPVワクチンによりがんや性感染症などの予防に効果が期待できます。
さらに、男性がワクチン接種による感染予防をすることで、性行為によるHPV感染からパートナーを守ることにもつながります。男性の場合、4価HPVワクチンのガーダシルのみ承認されています。
詳細については、世田谷区の公式ホームページをご参照ください。

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皮膚科

湿疹、皮膚炎じんましん(蕁麻疹)にきび(尋常性ざ瘡)酒さ水虫(足白癬、爪白癬等)
いぼ(尋常性疣贅、
脂漏性角化症)
たこ、魚の目(胼胝、鶏眼)ヘルペスウィルス
感染症
乾癬<外からの刺激に
よる疾患>虫刺され、日焼け
(日光皮膚炎)やけど
蜂窩織炎ほくろ円形脱毛症多汗症<爪の疾患>巻き爪、陥入爪、ひょう疽(化膿性爪囲炎)
湿疹、皮膚炎じんましん(蕁麻疹)
にきび(尋常性ざ瘡)酒さ
水虫(足白癬、爪白癬等)いぼ(尋常性疣贅、
脂漏性角化症)
たこ、魚の目(胼胝、鶏眼)ヘルペスウィルス感染症
乾癬<外からの刺激に
よる疾患>虫刺され、日焼け
(日光皮膚炎)やけど
蜂窩織炎ほくろ
円形脱毛症多汗症
<爪の疾患>巻き爪、陥入爪、ひょう疽(化膿性爪囲炎)

湿疹・皮膚炎

痒みを伴い、赤み、ブツブツ、小さな水ぶくれなどが見られます。症状が続くとゴワゴワとした皮膚になります。
原因としては薬剤、花粉、ハウスダストといった外からの刺激と、その人自身の健康状態や皮膚バリア機能などの体質が、絡み合って生じるとされています。ただ、はっきりと原因が分からない場合も多くあります。
以下のように、湿疹の中には特徴的な症状や、明らかな原因のあるもので、固有の名前が付いたものがあります。

アトピー性皮膚炎 / かぶれ(接触皮膚炎) / 皮脂欠乏性湿疹 / 脂漏性皮膚炎 / うっ滞性皮膚炎 等

いずれの場合にも、症状に応じた外用薬(ステロイド系等)で治療をしていきます。痒みが強い場合には抗アレルギー剤の内服を併用することもあります。同時に原因があればそれを避ける、湿疹が出やすい方では保湿剤等を用いたスキンケアを継続するといったことも大切です。良い状態が続けばゴワゴワとした肌も徐々に元の皮膚に近付いていきます。


じんましん(蕁麻疹)

強い痒みを伴う蚊にさされた時のような皮疹が、円形あるいは地図状に生じるものです。典型的にはひとつひとつの皮疹は24時間以内に痕を残さず消えていきます。特定の刺激(食物などのアレルギー、圧迫などの物理的刺激、発汗など)が原因となるものは1〜3割程度で、残りの7割は原因がはっきりしないじんましんです。治療は、原因が明らかであればそれを避け、抗アレルギー薬の内服をします。


にきび(尋常性ざ瘡)

にきびができるのは、毛穴詰まり、皮脂、アクネ菌による炎症が関係しています。赤いにきびだけでなく、にきびの始まりである目には見えない毛穴詰まりを解消する治療もしていくことが大切です。思春期にほとんどの人が経験する疾患ですが、にきび痕をなるべく残さないためにも放置せずに治療をすることが大切です。治療は、アダパレンや過酸化ベンゾイルを含む外用剤、外用抗生剤を基本とします。症状に応じて漢方薬、ビタミン剤やケミカルピーリング(保険外治療)も行っております。


酒さ

中高年の顔に好発する慢性炎症性疾患で、痒みやほてり感を伴う赤ら顔や、赤いブツブツなどが見られます。
紫外線や運動、飲酒、香辛料などによって悪化します。治療はこれら悪化因子をなるべく避けること、スキンケアをすること、ブツブツがある場合にはロゼックスゲルという外用薬を用います。また、保険外治療では赤ら顔に対してIPL治療(当院ではルメッカという機械)があります。


水虫(足白癬、爪白癬等)

白癬菌というカビの一種が原因となる疾患です。足白癬の場合は、趾間や足の裏に皮むけや小さな水ぶくれができたり厚くガサガサとした皮膚になります。バスマット等を通じてうつることがあります。爪の場合には白く濁ったりボロボロと欠けやすくなります。それ以外にも頭、顔、手、体などにもできることがあります。皮膚や爪を少しだけ頂き、顕微鏡で観察しその場で診断します。治療は外用薬が主ですが、内服薬を使う場合もあります。


いぼ(尋常性疣贅、脂漏性角化症)

尋常性疣贅はHPVというウィルスが原因となるいぼです。手のひら、足の裏、指趾によくできます。
放っておくと他の部位へ移ることがあります。治療は液体窒素による凍結療法です。効果が不十分の場合には他の塗り薬やCO2レーザー(保険外治療)を組み合わせることがあります。
脂漏性角化症はウィルスとは関係のないもので、年齢を重ねることや紫外線の影響で生じます。見た目やダーモスコピーという皮膚観察のための虫眼鏡のような道具で診断をします。治療は液体窒素による凍結療法や、CO2レーザー(保険外治療)があります。


たこ、魚の目(胼胝、鶏眼)

足の裏によくできます。骨の形や履く靴、歩き方などによりいつも圧迫されている部分の皮膚が分厚くなるものです。
靴の調整などで予防をすることと、皮膚科で削って痛みが出ないようにすることが大切です。


ヘルペスウィルス感染症

皮膚や粘膜にヘルペスウィルスが感染すること、あるいは以前に感染したウィルスが再び活性化することで症状を引き起こします。小さな水ぶくれが特徴です。ウィルスの種類や部位、初感染あるいは再活性化か、により以下のような病気の種類があります。


<単純ヘルペスウィルスによる疾患>
口唇ヘルペス / 性器ヘルペス / ヘルペス性ひょう疽 / カポジ水痘様発疹症
<水痘帯状疱疹ウィルスによる疾患>
水痘 / 帯状疱疹

皮膚の症状を見て診断します。患部の皮膚を擦る検査をしてその場で結果を確認する場合もあります。治療は抗ヘルペス薬の内服です。痛みに応じて痛み止めを処方する場合もあります。重症の場合には入院や点滴治療が必要な場合もあります。
また繰り返す症状の場合には事前に、あるいは予防的に内服をする方法もあります。(但し再発性ヘルペスの診断が必要であり、また処方の条件もあるため、患者さんのお話のみで希望通りに処方ができるわけではありません。)


乾癬

全身の皮膚に赤くガサガサとして少し盛り上がりのある皮疹が慢性的にできる疾患です。大人になってから発症することが多いです。全身の中でも刺激を受けやすい、肘、膝、頭皮、臀部、すねなどによく生じます。治療は外用薬から開始し、症状に応じて内服薬や光線療法、抗体療法を組み合わせ、継続していきます。


虫刺され

日焼け(日光皮膚炎)

やけど

蜂窩織炎

顔や足が突然赤く腫れて痛む疾患です。皮膚の傷や足白癬、あるいは目に見えない傷などから細菌感染を起こして発症します。
血液検査をする場合があります。治療は抗生剤の投与と局所安静を保つことです。


ほくろ

ほくろが変化したなど、ご心配がある場合にはご相談ください。
ダーモスコピーという機械で観察することで、ほくろか、それ以外の疾患かを診断します。


円形脱毛症

突然、主に頭髪に脱毛斑ができる疾患です。抜毛テストやトリコスコピーという拡大鏡のようなもので脱毛斑を観察して診断します。
治療は外用療法、局所注射、局所免疫療法などがあります。


多汗症

診察、問診から、原因のない多汗症か、あるいはお薬や他の病気による影響で多汗になっているかを診断します。
原因のない多汗症の場合、腋窩、手掌については保険診療で処方できる外用薬がありますのでご相談ください。


巻き爪、陥入爪

主に足の爪に生じます。爪の形が巻いていること自体は問題ではありませんが、痛みが出る場合には皮膚科で爪切り処置を行います。また、爪が周りの皮膚に刺さって赤く腫れて痛い場合(陥入爪)にも処置が必要です。症状に応じて爪切り処置、局所麻酔を使って爪甲部分切除などで治療をします。放っておくと悪化したり繰り返してしまうので早めにご相談ください。当院では爪の形そのものを変えてしまうフェノール法は行なっておりません。


ひょう疽(化膿性爪囲炎)

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小児皮膚科

乳児湿疹乳児脂漏性皮膚炎アトピー性皮膚炎とびひ(伝染性膿痂疹)いぼ(尋常性疣贅)
水いぼ(伝染性軟属腫)青あざ、茶あざ
乳児湿疹乳児脂漏性皮膚炎
アトピー性皮膚炎とびひ(伝染性膿痂疹)
いぼ(尋常性疣贅)水いぼ(伝染性軟属腫)
青あざ、茶あざ

乳児湿疹

生後2週から数ヶ月までの間、乳児では生理的変化や様々な原因により脂漏性皮膚炎、おむつ皮膚炎や口舐め病、アトピー性皮膚炎といった湿疹を生じやすく、まとめて乳児湿疹と呼ぶことがあります。


乳児脂漏性皮膚炎

赤ちゃんは脂腺がよく発達しているため、頭、顔などの脂漏部位にかさぶたや皮むけを伴う赤みやブツブツができやすくなります。
生後2週~8週ごろに生じやすく、多くは1歳ごろまでに自然軽快します。適切なスキンケアで軽快しない場合や症状に応じてステロイドの外用剤を使うことがあります。


アトピー性皮膚炎

乳児期や小児期に発症することの多い疾患です。痒みのある湿疹を繰り返し、「アトピー素因」(=喘息、アレルギー性鼻炎、結膜炎、アトピー性皮膚炎の家族歴や既往歴がある、血液検査でIgEが高い)を持つ場合が多いです。湿疹は特徴的な左右対称性の分布をとり、年齢により湿疹のよくできる場所が異なります。
治療は症状に応じて抗炎症外用薬(ステロイド外用薬、タクロリムス軟膏、デルゴシチニブ軟膏、ジファミラスト軟膏)、保湿外用薬等を用います。


とびひ(伝染性膿痂疹)

虫刺されやあせもを掻いたり、小さな傷に細菌が感染することで発症します。掻きむしった手を介して水ぶくれがあっという間に全身へ広がる様子から「とびひ」と言われます。黄色ブドウ球菌が原因となり水ぶくれを生じるタイプと、溶連菌が原因となりかさぶたを生じるタイプがあります。いずれも抗菌薬を使って治療を行います。

いぼ(尋常性疣贅)

水いぼ(伝染性軟属腫)

伝染性軟属腫ウィルス感染により、表面に光沢を有する小さな結節が多発する疾患です。数ヶ月で自然消退すると言われますが、掻くことで広げてしまうこともあります。鑷子で摘んで除去する治療法が以前よりとられますが、痛みを伴います。症状や状況に応じて銀配合クリーム(保険外)を用いて治療します。


青あざ、茶あざ

青あざ(太田母斑、異所性蒙古斑)、茶あざ(扁平母斑)は、Qスイッチルビーレーザーで保険治療が可能です。

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美容皮膚科(自費診療)

ルビーレーザーCO2レーザールメッカメソナJプロフェッショナルピール
コラーゲンピール美容注射ボトックス内服薬と化粧品シングリックス(不活化帯状疱疹
ワクチン)
ルビーレーザーCO2レーザー
ルメッカメソナJ
プロフェッショナルピールコラーゲンピール
美容注射青あざ、茶あざ
ボトックス内服薬と化粧品
シングリックス(不活化帯状疱疹
ワクチン)

当院では医師による診察、カウンセリングを行っております。お一人お一人のお悩み、症状、希望、ライフスタイル等に合わせてレーザー治療、美容施術、化粧品、スキンケア、内服薬をご提案いたします。
初回は美容皮膚科の初診でご予約をお願いいたします。

美容メニュー

Qスイッチルビーレーザー

こんな方におすすめ・シミやそばかすをピンポイントで治療したい

シミ(老人性色素斑)、そばかす(雀卵斑)などメラニンが原因となる症状に効果的な治療です。シミの種類によってはレーザー治療が向かないものもありますので、治療前に診察が必要です。
※生まれつきの青あざ(太田母斑、異所性蒙古斑)、茶あざ(扁平母斑)は保険適応です。美容目的の治療は保険適応外です



CO2レーザー

こんな方におすすめ・ほくろやいぼをとりたい
・メスを使わない治療を受けたい

ほくろや老人性いぼ(脂漏性角化症)、首に多発するいぼ(アクロコルドン)など、良性のできものを削って目立たなくする治療です。CO2レーザーは水分に吸収されやすい波長のレーザーで、皮膚細胞の水分がレーザーを吸収することで治療をします。



ルメッカ(IPL、光治療)

こんな方におすすめ・顔全体のシミや赤みが気になる
・ダウンタイムが少ない治療を受けたい
・毛穴が気になる
・美肌になりたい

IPL、光治療は、一つの波長を使うレーザー光とは異なり複数の波長の光を使い、顔全体に照射するため、複数の肌悩みを同時に治療することが可能です。ルメッカはヘモグロビンとメラニンに反応する波長が多く含まれており、シミ、そばかすや赤みへの効果が期待できます。また、肌に光エネルギーを当てることで、ターンオーバー、コラーゲン産生を促進させ、肌全体のエイジングケアにも有効です。
1回あたりの治療効果は高いですが、複数回照射することにより徐々に症状を改善していく治療法です。1ヶ月間隔での治療を推奨しております。



メソナJ

こんな方におすすめ・美肌になりたい
・ダウンタイムやリスク、痛みのない施術を受けたい
・肝斑が気になる
・シワが気になる
・毛穴やニキビが気になる

国産の経皮導入機(医療機関専用)です。
メソポレーション法を使い、肌に安全かつ効率的に高分子の美容成分を導入する美容施術です。メソポレーション法とは、電気の力で肌の細胞膜に一時的な隙間をあけて、更に電気による反発力、浸透力を利用する方法です。イオン導入では導入できない高分子成分(ヒアルロン酸、コラーゲン、プラセンタなど)も導入が可能で、様々な肌悩みに対応します。



プロフェッショナルピール

こんな方におすすめ・ざらつきが気になる
・くすみが気になる
・小じわが気になる
・ニキビが気になる

グリコール酸、乳酸、サリチル酸が配合されたピーリング剤です。



コラーゲンピール(PRX-T33)

こんな方におすすめ・たるみ、シワが気になる
・ハリやツヤが欲しい

コラーゲンピール=マッサージピールは、PRX-T33という特別な薬剤を使ったケミカルピーリングのことです。TCA(トリクロロ酢酸)と低濃度過酸化水素、コウジ酸が配合されています。TCAがコラーゲン産生を促進させ、肌のハリ、ツヤ、弾力をもたらします。コウジ酸はメラニン生成抑制によりシミやくすみを改善します。過酸化水素の働きにより、皮膚表面のピーリング作用が抑えられ、刺激感が少なく、赤みや皮むけが起こりにくいのが特徴です。





美容注射

プラセンタ注射 ヒト胎盤由来のプラセンタです。
新陳代謝を上げ、血行促進や美肌効果が期待できます。
自律神経の乱れにも◎

にんにく注射 ビタミンB, Cが含まれます。疲労回復に効果的です。

白玉注射(600mg) グルタチオン600mgが含まれます。
美白効果があり、シミやくすみの改善が期待できます。

高濃度ビタミンC点滴 短時間で高濃度のビタミンCが全身に行き渡ることで、
細胞の活性化による若返り効果の促進や、
アンチエイジング効果があります。

ボトックス

ボツリヌス菌が作り出すタンパク質の作用で表情筋をリラックスさせ、シワを改善する治療です。表情の変化は筋肉の動きにより出ますが、その動きを繰り返すこと、年齢を重ねるにつれて皮膚のハリや弾力が低下することが相まって消えにくくなりシワが刻まれます。カウンセリングで筋肉の動きを見て、仕上がりの希望などをご相談の上、注射をしていきます。2週間後に再診していただき、効果の出方を見て、次回以降の治療につなげていきます。必要があれば再診の際に追加を行います。その際は再診料のみいただきます。
製剤は、日本唯一の承認品であるBOTOX VISTAを使用しております。


内服薬

ビタミンC

抗酸化作用があり、紫外線から肌を守ります。
また、メラニン色素の合成抑制、コラーゲン合成、ターンオーバーの正常化などの効果があります。
体内では合成できません。


トラネキサム酸

元々は止血剤です。抗炎症作用やメラニン合成抑制作用などがあり、特に長期投与で肝斑を改善することが知られています。以下の方は内服ができません・ 血栓(脳梗塞、心筋梗塞、血栓性静脈炎など)の既往のある方
抗凝固薬の使用がある方
腎不全のある方
経口避妊薬(ピル)、ホルモン補充療法などのお薬を使用中の方
妊娠中、不妊治療中の方(副作用発現は報告されていませんが、
当クリニックでは処方しておりません)
喫煙者



院内で購入可能な化粧品

nanoegg
ナノメッドVAエッセンス
カリグラムコジブライト(クリーム)、
コジブライトローション
NAVISION DRセルニュープラスピーリングソープ
HQスティッククリア
REVISION SKINCARE
DEJフェイスクリーム
C+コレクティングコンプレックス30%
リボックススキンスムージングセラム
コラージュリペア
バクチセラムDR
nanoegg
ナノメッドVAエッセンス
カリグラムコジブライト(クリーム)、
コジブライトローション
NAVISION DRセルニュープラスピーリングソープ
HQスティッククリア
REVISION SKINCARE
DEJフェイスクリーム
C+コレクティングコンプレックス30%リボックススキンスムージングセラム
コラージュリペア
バクチセラムDR

10%ビタミンCローション(院内化粧品)

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