いぼ(尋常性疣贅)
いぼ(尋常性疣贅)
いぼは、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスが皮膚の小さな傷から入り込むことでできる感染性の皮膚疾患です。子供の皮膚は薄く傷つきやすいため感染しやすく、特に園児〜小学生の間でよく見られます。手指、足趾、手背、足底にできることが多く、「気づいたら数が増えていた、大きくなっていた」「兄弟にも移ってしまった」というご相談も少なくありません。
いぼの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)は、非常に身近なウイルスです。傷やささくれ、虫刺され、ひび割れ、あるいは目に見えない小さな傷など、皮膚のわずかな傷口から侵入し、皮膚の角化細胞に感染します。
感染したウイルスは、皮膚の表面の細胞に増殖して角質を厚くし、いぼとして現れます。
以下に示すようにウイルスのタイプや感染部位により特別な名前で呼ばれるいぼもあります。
足底疣贅(そくていゆうぜい)
足の裏にできるタイプで、体重がかかる部分では、表面に厚い角質が覆いかぶさり、たこや魚の目と間違えられることもあります。
ミルメシア
手掌足底にできるもので、噴火口状の見た目で、赤みや痛みを伴うことが多いです。
色素性疣贅
黒色調の色素沈着を伴ったものです。
糸状疣贅
顔や頭、首に生じるもので細い糸のように伸びる小突起として見られます。
扁平疣贅(へんぺいゆうぜい)
青年期女子の顔や手背などにできる平らないぼです。
小学生〜思春期の子供に多く、ひっかくことで線状に広がる(ケブネル現象)ことがあります。
いぼは、かゆみや痛みがほとんどないことが多いですが、歩くときに痛む(足底いぼ)、ひっかいて出血する、数が増えるなどで気づかれることが多いです。
自然に治ることもありますが、完治までに半年〜数年かかる場合もあり、放置すると周囲や他の家族にうつることがあるため、早めの治療が望ましいです。
いぼの治療にはいくつかの方法があり、症状やお子さまの年齢、痛みへの配慮によって選択します。
1.液体窒素療法(凍結療法)
最も一般的な治療法です。マイナス196℃の液体窒素を綿棒やスプレーでいぼに当て、ウイルスに感染した細胞を凍らせて壊します。1〜2週間おきに繰り返して行い、通常は数回〜十数回で改善します。
処置中にチクっとした痛みがありますが、短時間で終わり、保険診療で受けられます。治療後に赤みや水ぶくれができることもありますが、多くは自然に治まります。
2.塗り薬(外用療法)
サリチル酸ワセリンなどで角質を柔らかくし、いぼの除去を助ける方法です。液体窒素治療が難しい小さなお子さまや、いぼが小さい場合に用います。
3.漢方内服
漢方薬(ヨクイニン)を併用することがあります。ヨクイニンはハトムギ由来の成分で、皮膚の免疫を整える効果があり、いぼをできにくくする働きが期待されます。
4.その他の治療
難治性のいぼには、炭酸ガスレーザーを検討する場合もあります。
通常、自費診療での対応となります。
いぼは感染性があるため、治療中もいぼをいじったり引っ掻いたりしないよう注意が必要です。
学校や保育園では、いぼがあるだけで登園・登校を制限されることはほとんどありません。ただし、触ったりひっかいたりしないよう指導が必要です。プールについては、患部を絆創膏などで覆えば参加可能な場合が多いですが、施設の方針に従いましょう。
お子さまの場合、免疫がウイルスを排除して自然に治るケースもあります。ただし、治るまでに時間がかかることが多く、放っておくと増えたり、他の部位や家族にうつるリスクがあります。
そのため、皮膚科での治療をおすすめします。
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